■心不全(診断・原因精査編)について
心不全とは「心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気」です。5年生存率は約50%と予後不良と考えられています。診断は、症状(特に重要)・身体所見、心電図、胸部レントゲン、血液検査(BNP…脳性ナトリウム利尿ペプチド)、心エコーなどがあり、すべての所見を合わせて総合的に判断します。
症状・身体所見は、むくみ、息切れ(労作時…階段や坂道など)、体重増加、倦怠(けんたい)感、夜間頻尿、パルスオキシメータ(酸素飽和度)低下などです。
心電図は、主に心不全の原因、緊急性を判断します。不整脈(心房細動、房室ブロックなど)、虚血性心疾患(狭心症…心筋虚血、心筋梗塞(こうそく)…心筋壊死)は心不全の原因になります。高度な頻拍(ひんぱく)・徐脈の場合や不安定狭心症(心筋梗塞に移行しやすい狭心症)・心筋梗塞は緊急性があり至急対応が必要です。
胸部レントゲンは心拡大、肺うっ血、胸水などの所見です。
血液検査のBNP(pg/mL)とは心臓に負担がかかった時に主に心臓(心室)から分泌されるホルモンです。2025年心不全診療ガイドラインからは、BNP35以上で心不全の前段階か心不全の可能性があり、100以上で心不全の可能性が高く、200以上で近い将来に心不全悪化による入院などの高リスク心不全の可能性が高いと考えられます。
心エコーは、主に心不全の診断と原因を判断します。心機能、心筋梗塞、弁膜症、心筋疾患などが診断可能です。
患者さんの状態によっては、運動負荷心電図、核医学検査、CT、MRIでの精密検査が必要な場合もあります。主に運動負荷心電図は狭心症、核医学検査は狭心症・心筋梗塞・心筋疾患(心アミロイドーシスなど)、CTは冠動脈狭窄(きょうさく)、MRIは心筋梗塞、心筋疾患を診断します。
最後に、医師に「自覚症状の要点を簡潔かつ明確に伝える」ことが心不全の診断には重要となりますので皆さんのご協力をお願いします。
文責:波多野嗣久(つぐひさ)医師

