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《特集》つながる、ひろがる 多文化共生(4)

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東京都福生市

■やさしい日本語を知っていますか?
◇やさしい日本語ができたきっかけは「災害」
「やさしい日本語」とは、外国人の方にも分かるように配慮して、文法や単語を簡単にした日本語のことです。
やさしい日本語ができたきっかけは、1995年1月に起きた阪神・淡路大震災。当時の公共の情報発信は多言語対応がされていなかったため、日本語が十分に理解できず、避難に必要な情報を受け取ることができなかった外国人が多くいました。やさしい日本語は、「災害などの緊急時に安全を守るための情報を、多くの人に届ける手段」として考え出されました。その意義は、その後発生した東日本大震災でも再確認されることになりました。

◇やさしい日本語で外国人の社会参加へつなげる
・「高台に避難してください」ではなく「高いところに逃げてください」と言えばより多くの人に伝わった?
福生市に限らず、東京都に住む外国人は令和4年1月現在で約52万人と増加傾向にあります。国籍も多様化しており、得意な言語も人によってさまざまです。そのため、あらゆる情報発信において多言語対応するほかに、日本語を外国人にとって理解しやすくする「=やさしい日本語を使う」ことも重要です。
外国人住民のやさしい日本語の認知度を調査したところ(※)、約67%の外国人が「知っている」と答え、約84%が「やさしい日本語による情報発信を希望する」と回答しました。
やさしい日本語は外国人だけでなく、子どもや高齢者、障害のある方など、日本人にとっても理解しやすく、バックグラウンドの異なる人たちが一つの社会で共生していくために有効な言語です。
同じ社会で自分の意思を表現でき、周りの人たちに受け入れられることが、外国人をはじめ、多様な人々の社会参加の促進につながります。そのきっかけとして、まずは私たち日本人が、やさしい日本語とはどういうものなのかを知り、身近な外国人と関わりを持つことが大切です。
(※)参考:一般財団法人東京都つながり創生財団「やさしい日本語を活用した在住外国人への情報伝達に関する調査」

◇やさしい日本語話すときの10つのポイント
1、「~です」「~ます」で話す
2、短く話す
3、ゆっくり話す
4、最後まではっきり言う
「ごはんは?」→「ごはんはもう食べましたか?」
5、あいまいな表現は避ける
「今はちょっと…」→「今は、忙しいですから行きません」
6、オノマトペ(擬音語・擬態語)を使わない
7、敬語を使わない
8、相手のことばをよく聞く
9、ジェスチャーを使う
10、やさしい気持ちでコミュニケーション
参考:ひらがなネット株式会社「やさしい日本語ハンドブック」話す編書く編

■相手を理解し、「やさしい気持ち」で気軽にコミュニケーションを
◇「がいこくじんとにほんじんをつなぐ」多文化共生に関する事業を展開する ひらがなネット株式会社
外国人と話すときは「相手の様子に気を配る」ことが大事です。外国人は、自分が「分からない」と言ったときに、日本人に聞き返されるのが怖いので、会話の内容が分かっていなくても「うん、うん」とうなずいてしまうことがあるからです。
相手がどこまで理解していて、なにが分からないのかを確認しながら会話を進めることが、やさしい日本語の基本的な考え方です。また、やさしい日本語は決まった言語と思われがちですが、正解はありません。相手に理解してもらい、行動してもらうことが目的なので、話しているときは相手が理解しているか一つ一つ確かめ、日本語の理解度に合わせて表現を変えてみましょう。「自分が海外に住んでいたら」と想像し、「やさしい気持ち」でコミュニケーションを図ることが大切です。
多くの外国人は日本人と気軽にコミュニケーションをとりたいと思っています。「英語は話せないし…」と躊躇(ちゅうちょ)してしまう日本人の方はたくさんいますが、日本で暮らしている外国人の方であれば日本語で大丈夫。やさしい日本語で、そして「やさしい気持ち」で、「とりあえず話してみよう」という姿勢が、多文化共生社会を進める第一歩だと思います。

■多文化共生の実現のため、わたしたちにできることは
福生市 協働推進課
多文化共生社会の実現のためには、大きく2つの課題があると感じています。
1つ目は、言語の問題です。おそらく外国人に話しかけようと思っても、「ことばが違うから」とためらう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。「やさしい日本語」は、日本人にとっても無理なく外国人と話ができる素晴らしいツールです。もし困っている外国人の方がいたら、ぜひやさしい日本語で話しかけてあげてください。
2つ目は、生活習慣の違いです。よく外国人とのトラブルで「ごみ出しのルールを守らない」というワードが出てきます。しかし、日本人の方でも、住んでいた地域とごみ出しのルールが違うと、誤ってルールを破ってしまうこともあります。日本人も外国人も、気持ちよく生活したい想いは一緒のはずです。もし、ルールが違うなと思うことがあれば、その人の国のことも聞いてみてあげてください。そこから、お互いの生活を気持ちよく過ごすための糸口が見つかるかもしれません。
現在、市では9か国語対応の「ごみと資源の分け方・出し方」の案内や、市役所窓口等での「テレビ電話多言語通訳サービス(13言語対応)」の設置のほか、多文化共生に関する講座・イベントを定期的に開催し、外国人の方に「福生市は住みやすいまち」と思ってもらえるよう努めています。
これからも協働推進課では、「日本人」、「外国人」と分けるのではなく、「みんなが『福生市民』として生活できるまち」を目指したまちづくりを進めていきます。

問合せ:
〈企画・発行〉秘書広報課広報広聴係【電話】551・1529
〈多文化共生事業について〉協働推進課【電話】551・1590

       

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