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歯科医師会だより

20/21

東京都福生市

◆口腔(こうくう)内細菌と体の病気
この2年程続いているコロナですが、なぜ若者や健常者は軽症で済む人が多く、高齢者や持病を抱える人、特に要介護者の重症化、死亡者が多いのでしょうか。
日本人の死因は、がん、脳血管疾患、心疾患が上位を占めますが、高齢者、要介護者の場合は肺炎がそれに続きます。
高齢者の肺炎は口腔内細菌が唾液等に混ざり、誤って肺に入り込み発症する「誤嚥性肺炎(ごえんせい)」の割合が高いとされています。なかでも、気づかないうちに唾液や胃液等が肺に入る、「不顕性(ふけんせい)誤嚥」によるものが多いのです。
口腔内は、温度(37度)、湿度(唾液)、栄養(食べかす)の3条件が整い細菌が繁殖するには最適な環境です。歯垢(しこう)1mgに1億個以上、口腔内全体では、300種類、6,000億もの微生物が生息していると言われています。
最近では、口腔内細菌が血管を巡り各臓器に侵入、繁殖し、さまざまな病気の原因になっていることが分かってきました。例えば、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎等も、口腔内細菌と大きく関係しています。
2020年の統計によると、国内の死亡者数は約140万人で、毎年増加傾向にあり、2万人程増加した年もありましたが、十数年ぶりに約1万人減少に転じたそうです。皮肉なことに、コロナ渦における「コロナ対策、手洗い、うがい、マスク」が功を成しているのかもしれません。
1番最初の消化器官である口腔内を清潔に保つことは、さまざまな感染症、全身疾患から身を守ることに繋がります。日ごろからの「口腔ケア」が最も大切ですが、最低でも年に2回は、かかりつけの歯科で、機械的清掃(スケーリング)を受けることを、お勧めします。
一刻も早くコロナが終息しますように。

文責:三井田(みいだ)歯科医師

       

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