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医師会だより

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東京都福生市

■風疹(ふうしん)の抗体検査を受けましょう
現在、新型コロナウイルスの蔓延により予防ワクチンの話題が中心になっているが、公費の予防接種はほかにもいろいろあり、今回は風疹感染を予防するワクチンの必要性について伝えたい。
妊娠中の妊婦が風疹ウイルス感染することで、胎児が心疾患や難聴、白内障などを発症する先天性風疹症候群(CRS)は、ここ1年発症報告はないが、3~4年前には報告が一気に増えた。過去に感染しても妊娠時に抗体が下がっていたり、パートナーや家族から、また職場での感染などで再感染をした例もあり、これから妊娠を考える女性はもちろん、社会で感染リスクを減らすことも重要である。
感染すれば自分も苦しいが、自分ごとだけでなく、未来の子どもたちへの思いやりとして予防しようと考えて、行動に移してほしい。
風疹の怖いところは、発熱・発疹(はっしん)・リンパ節腫脹(しゅちょう)を特徴としているが、症状を欠く不顕性(ふけんせい)感染も15~30%報告があるので診断が難しいことである。自覚なく他人への感染が広まる可能性があり、また妊娠中でも産休まで働く女性が多いことから、仕事上の付き合いや職場の同僚からの感染も起こりうる。特にインフルエンザよりも飛沫(ひまつ)での感染力は高い。
現在、妊婦や同居家族への抗体検査などは自治体の補助で自己負担なく検査可能だが、特に昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性は自治体の集団接種対象ではなかったため、抗体保有率がほかの年代より低いことが問題になっている。そこで、その年代の方に送られている第5期定期接種のクーポンは必ず利用して、抗体の確認、十分でなければ予防接種を必ず受けてほしい。
今後はコロナ対策の緩和で制限のない活動が増えてくる可能性があり、他人との接触や周囲でマスクをする人が減ることもあり得るため、この時期に先を読んで、気を引き締めて予防しておくことが重要と思う。

文責:岡村医師

       

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