■新型コロナウイルス感染症について
よく知られている感染症に、世界中でパンデミックを引き起こしたCOVID(コヴィッド)19感染症(新型コロナウイルス感染症)があります。日本では令和2年に、横浜に停泊したダイヤモンド・プリンセス号から感染者が見つかり、感染拡大が始まりました。
新型コロナウイルス感染症は約80%が軽症または無症状で、発症後1週間程度で治癒(ちゆ)します。ウイルス排出量も1週間で数%となります。新型コロナに感染すると必ず高熱が出現すると考えている人が多く見られますが、発熱は必発(ひっぱつ)症状ではありません。特に小児の場合、感染しても軽症であることが多いので注意が必要です。
また、以前の株の感染時には嗅覚(きゅうかく)、味覚障害が多く見られましたが、最近のオミクロン株ではその障害はほとんど無く、咽頭(いんとう)痛、咳(せき)、痰(たん)、倦怠感(けんたいかん)等を訴える人がほとんどです。
新型コロナ感染時の検査方法は、現在、主に2種類あります。抗原定性検査とPCR検査です。
薬局などで入手しやすくなった抗原定性検査キットは、簡便に検査可能ですが、研究用と書かれているものは精度に問題があるものが含まれています。唾液で行う場合、食事やうがいにより、ウイルスが流れてしまうため、検出されにくくなります。抗原定性検査キットはウイルス自体に反応しますので、鼻咽腔(びいんくう)用のものでも手加減せずに検体採取することが必要です。また、陽性判定が出た場合には東京都陽性者登録センターに登録する等してください。
一方のPCR検査は、検体を採取後、ウイルスの核酸を増幅させる機械で検出する方法です。精度はPCRの方が少し上で、陽性判定率は約7割です。
次に、ワクチンです。ワクチン接種により発症を予防することは難しいのですが、重症化を予防することはできます。接種後時間が経過すると抗体も無くなるため、効果が望めなくなります。積極的にワクチン接種に臨(のぞ)んでください。
最後にコロナウイルスは飛沫(ひまつ)感染するので、寒くても換気をしっかり行うように心がけましょう。
文責:宮城(みやぎ)医師