■尿酸(にょうさん)について
「尿酸」とは、体内の細胞の老廃物です。通常は尿と一緒に排出され、血液の尿酸値は4.0~7.0mg/dlでコントロールされています。しかし、何らかの異常で尿酸がスムーズに排泄(はいせつ)されなかったり、生産されすぎたり、あるいは両方の原因で尿酸値が7.Omg/dlを超えてしまうと、「高尿酸血症」と診断されます。
尿酸のもとはプリン体という物質で、体内でたいへん溶けにくい性質を持っています。増えすぎてしまった尿酸は、溶けずに結晶(けっしょう)として体内のいろいろな部分に沈着(ちんちゃく)して害を及ぼします。最近は高尿酸血症の患者数が増え、特に若年層の患者が目立つようになってきました。
尿酸値が高いままの状態が続くと、痛風(つうふう)を代表とするさまざまな合併症が出現することが知られていますが、それだけではなく心筋梗塞(しんきんこうそく)等の虚血性(きょけつせい)心疾患の危険性が高まることも分かってきました。
高尿酸血症と診断されたら、総力ロリーを制限する、標準体重にコントロールする、乳製品を多く摂(と)る等の食事療法を行い、激しい運動は避けて軽い運動を心がけ、水分(目安は1日2.0~2.5l)をきちんととるようにしましよう。
痛風発作は、ある日突然痛みや腫(は)れ等が起きます。発作は数日で治まり、次の発作までまったく無症状なのでつい放置しがちになります。
尿酸値が高いと言われたら、放っておかずにかかりつけの医師に相談し、服薬中の方は自己判断で薬の服用をやめないようにしましょう。
文責:山口医師