多摩地区では福生のみ!
福生市は、東京都が実施する「こども未来アクション」のプロジェクトのひとつである「とうきょう すくわくプログラム」(乳幼児「子育ち」応援プログラム推進事業)の協力自治体に選ばれ、実際の保育現場において事業を開始しました。
このプロジェクトは、東京大学の研究機関であるCEDEP(セデップ)(東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター)の支援のもと、保育園や幼稚園において、園の環境や強みを活かしながら、各園が選択する「光」、「音」、「植物」等のテーマに沿って乳幼児の興味・関心に応じた「探究」を積み重ねることによって、子どもたちの意欲や自己肯定感、社会性などの「非認知能力」を高める等、乳幼児期の成長・発達をサポートすることを目的としています。
今回は実践協力園のうち、メインとなるコア園のすみれ保育園と聖愛幼稚園の2園が活動を実施し、今後サブ園の若葉保育園、福生杉ノ子保育園、ありんこ保育園でも実施していきます。
■市内2つのコア園での実施風景
◇すみれ保育園
・0歳児の「光の探究活動」
歩くことができるかどうかという0歳児クラス「すみれ組」の子どもたち。光と水、光と紙など、さまざまな素材との初めての出会いから子どもたちの「探究」が生まれます。子どもたちは、生まれて初めての体験と感動を、精いっぱい担任の保育士に伝えようとしていました。
◇聖愛幼稚園
・「オリーブの木」と子どもたちの探究
聖愛幼稚園に植えてある1本のオリーブの木は、卒園児が残してくれた記念樹です。その名前を冠(かん)した「オリーブ組(年中)」の子どもたちが、4~5人の小グループになって探究活動を実施。オリーブの木を通して、自然や生命を発見するなど、たくさんの「探究」が展開されました。
■子どもの「芽」を大切に育(はぐく)む教育・保育~自らの探究が新たな気づきを生む~
子どもたちは、探究活動の中でいろいろなものを見てみたい、知りたいと思っていて、目で見えている情報だけではなく、手で触ったり、においを嗅(か)いだり、木の実を潰(つぶ)してみたりとさまざまな方法で情報を得ようとします。自分の持っている知識を最大限に引き出して、新たな気づきを発見しようとしているのです。
また、探究活動を少人数で行うことで、子どもたちは相手の意見を聴き、お互いを認め合うことができるようになります。
大人は「オリーブの色は?」と聞かれると、当たり前のように緑色だと考えます。しかし、よく見ると、黄色や茶色、名前もない色、ほかにもたくさんの色があることに、子どもたちは気づいています。
0歳の子どもたちも光に興味を持ち、自ら試したり、考えたりしながら探究します。自分の世界を知る術(すべ)を子どもたちはすでに持っているのです。
子どもは皆、さまざまな能力や可能性を持っています。大人はそれを理解し、尊重し、摘(つ)み取らないように大切に育んでいく責任があるのではないでしょうか。
私たち大人が、子どもの能力や可能性を最大限発揮できるような教育・保育環境を作り出すことが必要だと思います。
担当講師(CEDEPから派遣)
山岸日登美(やまぎしひとみ)氏
まちの保育園 こども園 ペダゴジカルチーム ディレクター
問合せ:子ども育成課保育・幼稚園係
【電話】551・1780