■横田基地について
国の防衛や安全保障に関することは、国の専管事項ですが、だからこそ、基地の存在に起因するさまざまな問題は、基地周辺住民だけが犠牲になるのではなく、広く国民全体の問題として捉(とら)え、国が責任を持ってその対策に万全を期すべきであると考えています。
昨年8月から9月にかけて、現在6機配備されているCV-22オスプレイについて、クラッチを原因とする特有の現象が発生したことを契機として、地上待機措置がとられました。
東京都、基地周辺5市1町とも連携して要請も行いましたが、私は、昨年9月に防衛省本省を訪れ、防衛大臣に直接お会いして、基地を抱える自治体の現状や、市民の安心のためには迅速かつ丁寧な情報提供が必要であることを訴え、横田基地に関して意見交換をしました。
昨今の世界情勢や日本を取り巻く安全保障環境は大きく変化しており、基地への注目度は増していますが、基地を抱える自治体として、引き続き、東京都や基地周辺5市1町でも十分に連携し、基地対策に取り組んでいきます。
■令和5年度予算
令和5年度予算は、市税収入が新型コロナウイルス感染症の影響前となる令和2年度当初予算並みとなり、回復の兆しが見えつつあるものの、今後の感染症の推移やウクライナ情勢等による物価高騰など、先行きが不透明な状況にあり、今後の財政に与える影響も懸念されます。
そのため、公会計から得られる行政コスト情報などをもとに、各課において徹底した分析・検証を行い、市民の利便性の向上や事務の効率化の検討など、限られた財源を有効に使うことを念頭に編成しました。
一般会計の予算規模は、272億8千万円で、前年度比11億円、4.2%の大幅な増となり、2年連続で過去最大の予算となっています。
福生駅西口地区市街地再開発に伴う公共公益施設整備など、今後もさまざまな事業が予定されていることを踏まえると、市民サービスの向上を図るためには、新たな歳入の確保やさらなる経常経費の削減、DXによる事務の効率化などが必要不可欠と考えていますので、健全な財政運営に向けて、着実に取り組んでいきます。
■令和5年度の主な施策
◇企画財政部
令和2年度~令和11年度までを計画期間とする「福生市総合計画(第5期)」は、令和6年度で前期計画期間が終了するため、令和5年度から2か年をかけて後期計画の改定作業を行っていきます。
改定に当たっては、若手職員で構成する「持続可能なまちづくりタスクフォース」が作成する報告書等も参考資料として活用し、時代の変化に合わせた計画にしていきます。
◇総務部
本市の防災対策の根幹となる「福生市地域防災計画」について、近年の防災対策の動向をはじめ、各種災害による教訓や被害想定、東京都の防災計画の修正を踏まえ、現状に即した実効性のある計画内容となるよう修正します。
◇市民部
総合窓口課において、今後一層の市民サービスの向上、安定した業務体制の確保等を図るため、窓口業務の一部について、令和5年度中に民間事業者への委託化を進めていきます。
◇生活環境部
まちの魅力を高め、交流人口の増加と地域の活性化を図るため、引き続き近隣自治体等との連携を密にするとともに、観光振興に資する取組として観光ガイドマップを刷新して情報発信の強化を図るなど、市の魅力を市内外にアピールしていきます。
環境施策では、立川市をはじめとする9市で構成する広域連携サミットにおいて、私が提唱して本市と立川市で協議会を立ち上げて開始しましたサイクルシェアリング事業について、より広域的な相互利用が図れるよう、積極的に関連自治体への連携を呼びかけていきたいと考えています。
そのほか、多文化共生と防災のまちづくりを推進するため、外国人に対する防災研修・救急訓練等を実施します。また、令和5年度からは、「東京都パートナーシップ宣誓制度」を活用した制度を導入し、多様な性に関する市民の理解促進を図るとともに、パートナーシップ関係に係る生活上の不便を軽減するなど、当事者が暮らしやすい環境整備に取り組んでいきます。
◇福祉保健部
福生市社会福祉協議会に運営を委託している成年後見センター福生において、新たに法人後見事業を開始し、判断能力が不十分な認知症高齢者や障害者等に対して、法人後見による受け皿を確保することにより、成年後見制度の利用促進を図っていきます。
◇子ども家庭部
保育所等においては、近年、発達に課題を抱える児童等が増加する傾向にあることから、対応する保育士不足の現状を鑑(かんが)み、保育所等への給付内容を見直し、障害児保育の体制強化を図ります。
さらに、園外活動時の見守り等といった保育に係る周辺業務を行う保育支援者の配置についても支援を行っていきます。
また、医療的ケア児の受け入れ体制の整備を図る保育所等を支援するとともに、医療的ケア児やその家族の日常生活および社会生活を支援していきます。
◇都市建設部
東福生駅周辺地区の整備として、東福生駅自由通路のバリアフリー化および福生第2号踏切の歩道拡幅事業を進めていきます。
また、災害に強いまちづくりの推進を図るため、市内の避難路に面した倒壊の恐れのあるブロック塀等の撤去または建て替えに要する費用の一部を助成します。
◇教育部
市民の利便性向上を図る電子図書館システムをはじめ、幼保小中連携事業、中央図書館改良工事に伴う郷土資料室の展示のリニューアルなどの改善事業を実施します。
■結びに
今年は統一地方選挙の年に当たります。議員各位のこの4年間の市政への御尽力に対し、改めて心より敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げる次第です。特に、今期を限りに御勇退される議員の方々に対しましては、長年市政に賜りました御功績に対し、衷心(ちゅうしん)より感謝を申し上げます。
問合せ:企画調整課企画調整担当
【電話】551・1528