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医師会だより

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東京都福生市

■医療とAI
近年AIの発展が目覚ましく、いろいろな分野で利用されています。将棋では藤井聡太(ふじいそうた)七冠が大活躍していますが、その棋力(きりょく)の向上にはAIが大きな役割を果たしているように思われます。医療現場でも、最近はロボット手術等の機械工学の進歩とともに、AIも重要になってきています。
AIは診断、治療および予防のための大量のデータを解析することができます。それにより病気の早期検出や正確な診断、治療法の個別化、医療費の削減など、多くのメリットをもたらすことができます。AIを利用すれば、医師でなくても診断ができるようになるかもしれません。
しかし、AIを導入するにあたって、いくつかの課題が存在します。AIの正確性に関する問題です。入力する情報によりAIが誤った診断をする可能性があるため、AIの信頼性を高めるための技術的な改善やデータの蓄積が必要であるとともに、医療者自身の診断力も同時に必要です。AIの助けを借りながら、我々人間が行う医療のレベルを上げて、より良い診療を行えるようになりたいものです。
身近な例としては、消化器内視鏡でのAIの利用があります。胃カメラや大腸カメラ等で消化管のがん、炎症、潰瘍(かいよう)ポリープ、出血等疾患の診断や治療をするわけですが、AIを用いた消化器内視鏡画像の解析により、医師が見逃す可能性のある病変を検出できたり、病変の範囲を判断できるようになっています。また、見つけた病変が治療を要するものであるかの識別ができるようになる技術も発達してきています。やはりこの点においても、最終的には適切な医師の判断が必要です。
今後も人間の判断、AIの判断のデータを蓄積していくことにより、より正確な診療ができるようになっていくことが期待されます。

文責:宮崎医師

       

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