■コミュニティ・スクール
少子高齢化の進展、地域のつながりの希薄化など、子どもたちの環境は変化してきています。そんな中、市では地域ぐるみでの学校づくりを進め、地域社会総がかりの教育を目指して、コミュニティ・スクールに力を入れています。今回はコミュニティ・スクールとはなにか、その意義や役割についてさまざまな視点から紹介します。
◆コミュニティ・スクールを知っていますか
◇学校・保護者・地域が一体となって作るもの
コミュニティ・スクール(以下、CS(シーエス))は学校と地域が連携して子どもたちを育てていく仕組みで、平成16年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により制度化されました。
子どもたちを取り巻く環境や学校が抱える課題は複雑化・多様化しており、教育改革や地方創生の観点からも地域との連携・協働がますます重要視されています。
子どもが社会とのつながりの中で、さまざまな人と関わりながら学ぶ機会の充実を図り、変化の激しい社会をたくましく歩み続ける力を育むため、全国でCSの導入が進んでいます。
▽コミュニティ・スクール
◆市におけるコミュニティ・スクールの取り組みと現状
◇市内全小・中学校がCS指定校
市では、平成28年度に福生第四小学校が西多摩初のCS指定校となったのを皮切りに、令和2年度までに、市内全小・中学校10校がCS指定校となり、地域との連携を深め、地域とともにある学校づくりを推進してきました。
都内のCS導入率を見ると、平均で47.4%(令和6年5月1日時点)です。導入率100%の福生市は、地域ぐるみで学校を支える仕組みが大変充実しています。
◇CSを支えるCS委員と学校支援コーディネーター
CSには町会・自治会、保育園やPTAの関係者等、地域との関わりの深いさまざまな方が各校10人、全100人がCS委員として学校運営に参画しています。学校はCS委員の協力を得ることで地域との連携をよりいっそう深め、子どもたちへ切れ目のない支援を図っています。
また、学校の教育的ニーズと地域のサポーターをつなぐ「学校支援コーディネーター」を市内全小・中学校に配置しています。地域の幅広い人材を活用した学習等の支援をサポートすることで、各校では、地域の特色を活かした活動が活発に行われています。
◇財政的援助も実施
市では、CS活動に財政面の支援も行っています。事業に係る費用や、研修等を行うための外部講師への謝礼、活動の広報等の印刷製本費等を支援することで、さまざまなCS活動を支え、継続的・安定的で、充実したCS運営を推進しています。
◆interview
市内で先駆けてCSを導入した福生第四小学校のCS委員会会長 山﨑源太さんにCS運営に大事なことなどを伺いました
・福生第四小学校CS委員会 会長 山﨑源太(やまざきげんた)さん
◇CS委員になったきっかけは?
私の場合は、PTAとして学校と関わることが始まりでした。そこで当時ちょうど福生第四小学校の50周年行事があり、事業を進めていくにあたって地域や他校のPTAなどいろいろな人と関わりを持つようになりました。そういったことがきっかけで平成23年4月から学校支援コーディネーター、平成28年4月からCS委員として従事しています。
◇学校支援コーディネーターとCS委員の違いは?
学校支援コーディネーターもCS委員も私自身の活動としてはあまり変わらないのですが、CSが始まって大きく変わったなと感じるのは、私たちも学校の職員という立ち位置で、先生たちと一緒に学校の将来について「熟議(じゅくぎ)」する場が生まれたことです。お互いが意見を言い合うことでいろいろな化学反応が起こり、それが子どもたちにとって良いことにつなげていければ面白いですね。
◇CS運営で大事なこと
学校には学校の考え、地域には地域の考え、保護者には保護者の考えがあります。またそれぞれに不満や悩みがあります。この考えや不満・悩みなどをお互いに理解し合い、良い関係性を築いていくことが重要です。そのために大事なのは「会話」だと思っています。