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医師会だより

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東京都福生市

■小児、学童期の頭痛
小児、思春期の代表的な一次性頭痛は、片頭痛と緊張性頭痛があります。ともに小児期には性差が乏(とぼ)しく、学童期以降はホルモンの関係で女性が明らかに多くなります。なかには連日痛みを訴えて来院する方もいます。
まず片頭痛ですが、特徴として成人と比べ頭痛の持続時間が短いことです。持続時間は2~72時間程度で部位は両側性が多く、片側性は少ない。また時間とともに痛みが増悪し、体を動かすことにより悪化するのが特徴です。また、合併症として消化器症状を伴いやすく頭痛よりも腹痛を主訴として来院される児童もいます。診断のうえで前兆の問診が重要です。前兆としては視覚症状が多く、見えにくい、キラキラするといった場合が多い。治療としては基本的に非薬物療法で暗くて静かな部屋で安静にする。適切な睡眠、食事ストレスの回避などです。薬物療法として発作早期に鎮痛薬を使用します。イブプロフェンやアセトアミノフェンなど。また、予防法として頭痛が頻回に発症し日常生活に支障をきたす場合は予防投与を考えます。小児ではプラセボ効果が高いため、副作用の少ないビタミン剤やアミトリプチリンを使用します。
次に緊張型頭痛ですが頭痛の程度は軽いことが多く、頭痛の持続時間は30分~約1週間とかなり幅があり頻度は高いが日常生活にはあまり支障をきたさないため受診する患者さんは少なめです。このため頻回に頭痛をきたす(月15回以上)慢性緊張型頭痛の児童が治療の対象になります。また合併症としての消化器症状などを伴わない場合も多く、治療としては片頭痛と同じく非薬物療法が主体で、頭痛の特徴として痛みが徐々に悪化することは少ない傾向にあり、運動等で症状が改善することが多くみられます。薬物治療としては片頭痛と同じくイブプロフェン、アセトアミノフェンを使用します。その他の頭痛として慢性連日性頭痛などがあります。

文責:桂川(かつらがわ)医師

       

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