◆村の発展を支えたヤマジュウ田村家
明治35年(1902年)、旧福生村に建てられた旧ヤマジュウ田村家住宅。この住宅の旧所有者である田村家は、同年に田村酒造場を営む田村家の分家として起こり、三代にわたりこの地で生活をしてきました。屋号は仐(ヤマジュウ)です。
ヤマジュウ田村家では、明治44年(1911年)に旧福生郵便局を住宅の向かいに開設しました。その後、旧福生郵便局内で大正7年(1918年)に電報電話業務を、大正10年(1921年)には電話交換業務を始めるなど、旧福生村の発展に尽くしました。
◆明治期の様子を今に残す文化財
平成24年に所有者の方が亡くなられた後、文化財調査を行った結果、建物に文化財的価値が認められたことから、福生市が取得、保存することとなりました。
平成25年には建物が福生市へ寄贈され、平成26年に土地を市で購入し、平成27年~平成28年にかけて一般公開に必要となる改修工事を行いました。
平成26年12月19日、主屋ならびに2棟の土蔵の文化財的価値が認められ、国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。
江戸時代以来の伝統に近代的な要素を加えた建物で、明治期の様子を今に残す貴重な建物です。
◇1 利用案内
開館時間:午前10時~午後4時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
場所:福生1158
入館料:無料
その他:団体見学等のお問い合わせは郷土資料室へ。
◇2 郷土資料室職員・ボランティアによる旧ヤマジュウ田村家住宅の解説を行います
旧ヤマジュウ田村家住宅を団体等で見学する場合に、郷土資料室職員または文化財・史跡ガイドボランティアにより、建物の見どころなどの解説を行います。
ご希望の方は、事前に郷土資料室までご連絡ください。
所要時間:15分~30分程度
注意事項:日時によっては対応できない場合があります。
申込み:直接または電話で郷土資料室へ。
【電話】530・1120
◆主屋の特徴
◇近代的な間取り
主屋は平屋建てで、間取りは正面向かって右側に土間がある六間取(むつまど)りとなっています。周囲を廊下が巡るほか、風呂場やお手洗いが建物内に配置されるなどの明治期ならではの特徴が見られます。
◇豪華な装飾
一番奥の部屋は格の高い部屋となっています。この部屋は結婚式なども行う部屋で、床(とこ)の間(ま)や欄間(らんま)があるほか、襖(ふすま)の引手にも飾りが施されるなど、豪華な造りとなっています。
◇さまざまな収納スペース
日常生活を送る場である北側の部屋には、備え付けのたんすが襖の中に収納されている様子が見られます。また、北側と南側をつなぐ部屋の間には三方から開けることができる非常に珍しい押し入れがあります。
◆記憶画「永田絵図」展示 東土蔵で随時実施中
東土蔵(ひがしどぞう)内のギャラリーでは、古き良き時代の福生の原風景を感じられる窪田成司(くぼたせいじ)氏による昭和初期の永田地区の様子を描いた記憶画「永田絵図」の展示を、年4回展示替えを行いながら実施しています。
旧ヤマジュウ田村家住宅の見学と合わせて、ぜひご覧ください。
◆旧ヤマジュウ田村家住宅季節展示 「戦時下の生活と涼をとる道具展」
旧ヤマジュウ田村家住宅では、日本建築の特徴を生かし、主屋を用いた季節展示を夏の時期と冬から春にかけての年2回行っています。
今回は、戦時下の生活が分かる道具と、夏の暮らしを伝える道具の展示を行います。戦時下の生活の工夫や、日本家屋における夏の過ごし方の工夫について、実際の住宅で学ぶことのできる貴重な機会です。
日時:6月22日(土)~9月19日(木) 午前10時~午後4時
※月曜休館日(祝日の場合は翌平日)
◆旧ヤマジュウ田村家住宅紹介動画を公開しています
国登録有形文化財(建造物)である旧ヤマジュウ田村家住宅を紹介する動画を【HP】や市公式YouTubeチャンネル「福生市メディアラボ」に公開しました。
動画では、主屋の特徴や土蔵に収納されていた道具類の説明などをナレーション付きで紹介しています。
問合せ:郷土資料室
【電話】530・1120