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医師会だより

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東京都福生市

■コロナ感染の現状
流行し始めてから4年が経過し、昨年5月から感染症法上の類から5類に移行、今年3月に政府財政支援が終了し4月から通常の医療体制となりました。
冬だけでなく、夏になると毎年急増し11回目の大流行は熱中症の増加とともに重要な問題点でした。対応としては「急性期」、「後遺症」への対応があげられます。「急性期」は「マスク、手洗い」、「換気、三密回避(密集、密接、密閉)」、「ワクチン」、「抗ウイルス剤」など多くのフィルターをかけることが重要です。「ワクチン」は症状の重症化を抑え、後遺症発症の危険を低減させることが報告されています。
なお、市では、10月から個人の重症化予防を目的として、65歳以上の方、60~64歳までの重症化リスクの高い方を対象に新型コロナワクチンの定期接種を実施する予定とのことです。「抗ウイルス剤」に関しては高齢者の呼吸器疾患、糖尿病などの基礎疾患を有する患者さんが治療の中心となります。投与の有無による後遺症発症は多施設の危険度比較研究によると、30%弱発症が低下しています。ウイルス感染が患者さんの組織を損傷させ、炎症反応を引き起こしているため、早期にウイルス量を減少させることは患者さんの体内で起こっているさまざまな変化抑制に寄与しています。一方そのほかの多くの患者さんは症状に応じた対症療法となります。後遺症は感染後少なくとも2か月以上持続し、ほかの疾患による症状として説明がつかないものと定義されています。1~2割の発症率とされており、3年まで継続される患者さんは5%前後です。訴えとしては倦怠感(けんたいかん)、筋力低下、ブレインフォグ(頭の中が霧(きり)がかかったようにぼんやりして考えがまとまらない)、身体症状(咳(せき)、頭痛、味覚嗅覚(きゅうかく)異状)など多彩です。病状長期化により休職し、専門後遺症外来にかかる患者さんが増加しています。院内クラスターの発生により医療従事者の労災認定増加も多く、医療リソース圧迫の可能性も懸念(けねん)されます。
以上より当院では、あらかじめ電話をいただいた患者さんへは以前から設置している感染症対応診察室(ICR)で診察し、診察室で診断された場合は引き続きICRにて待機していただいています。一般待合室でのほかの患者さんと感染患者さんとの接触をできる限り避けるために、処方箋(しょうほうせん)、会計はすべて処理した後ICRで対応し、速やかに帰宅していただいています。

文責:瀬在秀一(せざいしゅういち)医師

       

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