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医師会だより

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東京都福生市

■フレイルとサルコペニア
日本は超高齢化社会となり、介護や医療の現場でフレイルやサルコペニアという用語を使用することが多くなっているので、皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思います。
フレイルとは、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、生活機能が障害され、心身の脆弱性(ぜいじゃくせい)が出現した状態」です。具体的には、以下の5項目(1)意図しない年間4~5Kg以上の体重減少(2)疲れやすく何をするのも面倒だと週に3~4日以上感じる(3)歩行速度の低下(歩行速度〈1.0m/秒)(4)握力の低下(男性〈28kg、女性〈18kg)(5)身体活動量の低下(軽い運動・体操をしていない、定期的な運動・スポーツをしていない)のうち3項目以上が該当するようであればフレイル状態と判断されます。
サルコペニアとは、「筋肉量減少および筋力の低下のこと」で、フレイルと密接に関連してきます。簡易チェックとして「指輪っかテスト」があり、自分のふくらはぎを両手で指輪っかを作り囲んだ時、指輪っかよりも小さくすきまができるようであればサルコペニアが疑われます。フレイル状態になると、ひいては要介護状態となり、身体能力の低下につながっていきます。
ここで大事なことは、家族や医療者・介護者が早い段階で気付き対応することができれば、フレイル状態から健常に近い状態に改善することも可能だということです。
フレイルの予防としては、(1)持病のコントロールをすること(特に糖尿病、高血圧、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、整形外科的疾患など)(2)主菜(肉・魚・卵・大豆製品)、副菜(野菜・キノコ・海藻類)、牛乳・乳製品、果物をバランスよく摂取することで栄養状態を良好に保つこと(3)筋力を保つために、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行うレジスタンス運動を行うこと(4)感染症予防としてマスク着用や手洗いなどをしっかり行い、ワクチン接種も積極的に受けることなどが重要です。

文責:津田倫樹(つだともき)医師

       

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