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■その指の痛み、もしかしてヘバーデンかも!?
手の指の第一関節(爪に近い関節)が腫れたり変形したりする病気を「へバーデン結節(けっせつ)」といいます。初めは軽い痛みや腫れから始まり、進行すると第一関節の変形をきたします。水ぶくれのような粘液嚢腫(ねんえきのうしゅ)ができることもあります。家事や仕事に支障をきたすことも少なくありません。
臨床症状と合わせて、レントゲン検査で骨棘(こっきょく)が見られる・関節が狭くなる・関節が破壊されるなどの所見が認められれば、へバーデン結節と診断されます。間違われやすい疾患に関節リウマチやブシャール結節があり、鑑別(かんべつ)を要します。
へバーデン結節は長い間原因不明とされておりましたが、へバーデン結節の症状を訴える方は特に女性に多く、閉経後に発症するケースが目立ちます。また、原因の1つとして女性ホルモンが減少することで、指の関節を包む膜(滑膜(かつまく))がダメージを受けやすくなっているのではないかとの研究結果も近年出てきております。
これまで「年齢のせいだから仕方がない」と諦めてしまう方が多く見られましたが、早期に治療を始めることで、痛みの軽減や進行の抑制が期待できます。「最近指の関節が痛む」、「第一関節が腫れてきた」などの異変を感じたら、自己判断せずに専門医へ相談してください。
文責:會澤義之(あいざわよしゆき)医師

