■市民が語る福生への想い
市民の方にまちの変化や当時の想い出などを伺いました
◇01 人と人のつながりを大事にするまち
安藤廣之(あんどうひろゆき)さん
福生はコンパクトなまちだからこそ、昔から人と人とのつながりがとても強かったと思います。
今は少なくなってしまいましたが、昔はアメリカンハウスが多かったこともあり、外国の方とも近い関係でしたよ。近所のハウスで英会話教室が開かれたりしてましたからね。さまざまな方が住んでいて、このまちに住んでいるだけで「仲間」みたいな感じになる地域だと思います。
昔の思い出でいうと、今の市民会館でよくテレビの中継や撮影が行われていたのを覚えていますね。有名な歌番組やコント番組の撮影があって、自宅のすぐそばだったのでよく観に行ってました。あとは、中央体育館ではプロレスの試合なんかも行われていて、福生に人がよく集まっていましたね。七夕まつりなんかもすごい人出でとにかく賑(にぎ)わっていたイメージですね。
福生は「和」と「洋」の両方の雰囲気を持っていて、昔からの自然も豊かに残っています。そして、そこに住む人々が強くつながっている。とても誇らしいまちです。
これからも時代やまちなみは変化し続けていくと思いますが、福生の良いところは世代を超えて残していきたいですね。いつまでも福生らしいコミュニティをつくっていってほしいです。
◇02 住みやすく・誇りある地域
露木禎尚(つゆきよしなお)さん
今は福生全体が住宅地になったと感じます。私は今、長沢地域で事業をしていますが、昔はこの辺りは畑が多くて、道路も今ほど綺麗に舗装されていなかったですからね。福生市になるころからこの辺りも含め、加美平や武蔵野台など各地域の区画整理が進み、今のまちなみに変化したと思います。
私は昭和60年から不動産業に携わるようになりましたが、この辺りの土地価格も大きく変化したように感じます。人の動きとともに不動産も変化してきましたね。ただ、ここ数年は「空き屋問題」や「老朽化してきた賃貸アパート」が課題になっているように感じます。家族構成の変化でアパートは多様になってきましたが、それでも福生は昔からの造りのアパートがまだ多いので、これからの時代の変化に対応できるかがポイントになると思います。福生は市内に駅が5つあって、どこに住んでいても最寄り駅まで20分以内と、とても「住みやすいまち」だと思うんです。だからこそ、これからの時代の変化に対応していき、もっとまちが栄えるといいと思います。
長年、福生で不動産業を営んでいて、福生に住む人は皆さん「地元愛が強い」と感じます。もともと住んでいる人も引っ越してきた人も地元を誇りに思っているんだと思います。これからも「誰もが住みやすくて、誇りある地域」になるといいですね。
◇03 受け継がれる伝統・文化
石川高広(いしかわたかひろ)さん
福生町から福生市になったのは、私が小学生のころでしたが、そのころはまだ熊川の地域も団地が賑やかで、そこに広がる商店も活気がありました。今は、スーパーができたりして商店は少なくなってしまいましたが。それでも当時に比べると人口も増えていて、まちの雰囲気も変わったように感じます。
消防団活動にも参加していましたが、地元の活動も大きく変わりました。昔は消防団といえば、地元の個人事業主や農家の方がほとんどでしたが、今は新しく越してきた方やサラリーマンの方が活躍していますから。地元の活動やつながりはなくしてはいけないと思いますし、「新しく来た人がすぐに溶け込める」というのは福生のすごいところですよね。
時代の変化でまちの風景は様変わりしましたが、福生らしいところは変わっていないのかもしれないですね。江戸時代から続く2つの酒蔵もありますし、祭りなどのイベントも昔から変わらず行われていて、「伝統や文化を大切にしてきたまち」だと思います。
少子高齢化と言われる時代ですけど、これからも福生の良いところは変わらずに福生らしい変化をしていってほしいですね。
◇市長が想う福生
加藤育男福生市長
昔の福生を思い返してみると、今と変わらず「インターナショナルなまち」だったと思います。私が小さいころから基地の軍人さんのお子さんたちと交流する機会があり、生活の中に、当たり前に異文化がありました。福生はそういった異文化・多文化があるからこそ独自の発展をしてきたのだと思います。
福生は、誰でも、何でも受け入れるとてもフレンドリーなまちです。そういった想いや個性は住んでいる皆さんの人柄や地元への愛情が昔から受け継がれてきたからです。
まちなみの変化に目を向けてみると、やはり市制が施行されてから急激に変化したように感じます。昭和45年は大阪万博が開催された年でもあり、ここから日本は大きく変わっていくんだろうと感じたのを覚えています。初代福生市長の石川常太郎(いしかわつねたろう)さんが市制施行に踏み切られてから福生市内の経済は変化し、駅前や商店街は大きく変わりました。
また、歴代福生市長の皆さんがそれぞれの想いを胸に市政運営をされて、型どおりな仕事ではなく、自分らしさを出した市政運営をされてきたからこそ、今の福生市があるのだと感じます。そこもまた福生らしいですね。
そして、これからの福生市を考えたときに、「平和」の尊さを意識しなくてはいけないと思っています。世界では戦争が起こっている国があり、当たり前だった日常が一変することもありえるわけです。世界情勢が混沌としている中で、「平和」についてもっと考え、さらに、さまざまな災害に対しての防災や減災に優れた市になれば、皆さんやっぱりここに住んでいてよかったなと思っていただけるのではないか。そんな福生市の未来のためにも全力で市政運営に取り組んでいきます。

