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薬剤師会だより

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東京都福生市

■冬の乾燥肌(かんそうはだ)に保湿剤の使い分け
寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか?空気が乾燥する冬の季節のお悩みに「乾燥肌(かんそうはだ)」があります。今回は保湿剤の使い分けについてお伝えします。
乾燥肌とは皮フの皮脂と水分が不足した状態を言います。正常な皮フにはバリア機能があり、皮フの水分の蒸発を防ぎ、外部の刺激から肌を守っています。しかし、空気の乾燥や紫外線、加齢などによって皮フが乾燥するとバリア機能が低下してしまいます。その結果として外部の刺激に敏感になり、かゆみや炎症を引き起こす場合があります。皮フが特に乾燥しやすい部位は、元々皮脂の分泌量が少ない箇所です。体では脛(すね)や肘(ひじ)、膝(ひざ)、顔では頬(ほほ)や目と口のまわりが乾燥しやすいです。皮フの水分量が重要だと考えられがちですが、実は油分も非常に大切なのです。
保湿剤の選び方は、(1)保湿剤の成分(2)保湿剤の剤型の2つに着目するのがポイントです。保湿剤の成分は大きく2種類に分類されます。
・モイスチャライザー…尿素やヒアルロン酸、ヘパリン類似物質といった成分です。これらは皮フの角層に水分を与えます。日常的な保湿に適した成分です。
・エモリエント…ワセリンやスクワラン、植物油などがこれにあたります。これらは皮フの表面に油の膜をつくり、皮フの水分の蒸発を防ぎます。傷やひどい肌荒れ部分を保護する効果も持ちます。
保湿剤の剤型には主に、軟膏(なんこう)、クリーム、ローションがあります。
・軟膏…保湿力が高く刺激が少ないという特徴があります。ベタつき感があり、水で落ちにくいです。
・クリーム…軟膏に比べるとベタつきにくく使いやすいです。水分量が軟膏より多いため長時間経つと乾燥します。
・ローション…伸びが良く広い面積に使いやすいです。頭皮に使用できるものもあります。軟膏やクリームと比較すると保湿力は劣ります。
成分と剤型の組み合わせによって適した部位や症状が変わりますので、商品選びの参考になさってください。薬局・ドラッグストアで商品選びに迷った際には、ぜひ薬剤師・登録販売者にお声がけください。

文責:高橋薬剤師

       

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