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東京都福生市

■努力で切り開いたプロへの道
広島東洋カープ 2024ドラフト4位指名選手 渡邉悠斗(わたなべゆうと)さん

赤と白のユニフォームに身を包み、笑顔でバットを構える青年。彼こそ、「2024年プロ野球ドラフト会議」で広島東洋カープから4位指名を受け、令和6年12月17日に入団した渡邉悠斗さんだ。今回は、渡邉さんがプロの道に進むまでの軌跡や今後に向けた意気込みなどを特集する。

◇仲間と手を取り野球に情熱を注いだ学生時代
幼いころから、草野球をしていた父の応援に足を運ぶなど、野球に触れる時間が多かった渡邉さん。野球生活で一番最初に憧れた人は父だった。小学1年生の時に福生ペガサスで野球を始め、中学時代は福生リトルシニアでプレー。その後、堀越高等学校、富士大学へと進学した。プロ野球選手になりたいと本格的に思うようになったのは高校生の時だった。
そんな渡邉さんが高校3年生の時に、分岐点が訪れた。新型コロナウイルス感染症の流行で、部活動ができない日々が続いたのだ。さらに、春の大会や最大の目標であった甲子園大会までもが中止となってしまった。モチベーションが下がり、今後野球を続けていくかどうか考える日々が続いた。しかし、野球が本当に好きだということ、辛いのは仲間も同じであることなど、普通の生活を送っていたら気づけなかった自分の思いに向き合うことができたという。コロナ禍は、近所の友人と一緒にランニングやトレーニングをしたり、家で自主練習をしたりするなど、置かれた状況でできることをした。
そして、学生時代、野球に打ち込んできた渡邉さんにとって特に充実していたのが大学の4年間だ。初めての寮生活で、チームメイトと日々苦楽をともにすることで「チームワーク」や「仲間」という意識が強く芽生えたという。相手を蹴落とすのではなく、お互いの良いところを認め合って切磋琢磨(せっさたくま)することができた。そんな仲間たちとは、練習が終わった後も、灯りのついていた校舎の連絡通路の下で、夜遅くまで羽打ちや素振りを行った。渡邉さんは当時を振り返り、「人一倍練習しようと努力をしていた」と胸を張って答えた。
小学生からずっとキャッチャーを務めていた渡邉さんだが、大学では同じキャッチャーの同級生にレギュラー争いでなかなか勝つことができず、初めて自信をなくしたという。そんな中、大学3年生の時に監督から声をかけられ、悩みながらもそれまでやったことのなかったファーストへのポジション変更を決断した。その大きな決断によって、バッティングを活かすことができ、今につながったと振り返る。

◇野球生活を支えてくれた両親の存在
高校生の時は、始発で朝練に向かい、夜は10時ごろに帰宅する毎日。ハードな生活を支えてくれたのは、両親だった。母は毎朝4時前に起きて1kgのお弁当を用意、父は毎晩ユニフォームを洗濯してくれた。その間、素振りを毎日欠かさず行うことが父との約束だった。どんなに疲れて帰宅しても約束を守り毎日素振りを行ったことで、打撃に自信を持てるようになった。また、「忙しくても試合の応援に来てくれたり、大学に入ってからは帰省の度に温かく迎えてくれて本当に感謝しかない。野球を続けてこれたのは両親の支えがあったからです。」と話す。
そんなご両親に今回、プロ野球選手として広島へ飛び立つ息子さんへの想いを聞くことができた。
「感謝の気持ちを忘れず、怪我なく一日一日を大切に頑張ってほしい。そうすれば必ず良い結果がついてくると信じています。大勢の観客の前でプレーする息子を見るのがすごく楽しみです。試合も応援に行くので、変わらず野球を大好きでいてください。」とエールを送った。
渡邉さんがプロの道に進むことができたのは、本人の努力に加え、すぐそばで応援してくれる家族や一緒に困難を乗り越えた仲間の存在があったからだろう。

◇大きな夢を叶えて今思うこと
「広島から指名を受けた時は驚きと嬉しさで本当に頭が真っ白になりましたが、ユニフォームに腕を通して改めて、プロになる実感が湧(わ)いてきました。一緒にカープへ行く富士大学の同級生の存在が心強く、入団挨拶の際に会った方も話しやすい方ばかりで、今は本当に楽しみという気持ちが大きいです。1年目は一軍で本塁打を打つこと、プロ生活全体の目標としては、三冠王を目指して頑張ります。」と笑顔で語った。
そして、最後に市民の皆さんに伝えたいことについても聞いた。
「自分が野球生活で身をもって感じた、『好きなことを諦めずに続けていけば、自ずと良い方向に進んでいく』ということを応援してくれる皆さんに伝えていきたい」と語ってくれた。
困難が訪れても仲間と手を取り合い、ひたむきに野球と向き合うことをやめなかった渡邉さん。そして、変化を恐れず挑戦を続けたことで、自らの手でプロへの道を切り開いた。
これから先も私たちに希望や感動を与え続け、多くの人の夢への背中を押してくれるだろう。

       

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