■知って納得!ペットボトルリサイクル
◆日本のペットボトルリサイクル事情
◇ペットボトルが無色透明である秘密
皆さんはコンビニやスーパー、自動販売機等で売られている清涼飲料水のほとんどのペットボトルが、無色透明であることに気づいていましたか?
これは「より高度なリサイクル」を可能にするためであり、国内の飲料メーカー各社が、業界の自主基準である「PETボトル自主設計ガイドライン」に基づいて実施しています。
着色されたペットボトルでもリサイクルは可能ですが、原料に戻してペットボトルを再生産する「より高度なリサイクル」は難しくなります。
実は国内で生産される清涼飲料水のペットボトルがすべて無色透明なことは、世界でもまれなことなのです。
◇日本のペットボトルリサイクル率は世界最高水準!
下表のとおり、日本のペットボトルリサイクル率は令和5年度で85%であり、欧米と比較すると大きく上回っていることが分かります。
▽日米欧のリサイクル状況比較
出所:
・欧州…Wood Mackenzie社(平成30年調査方法の精査修正)
・米国…NAPCOR
出典:PETボトルリサイクル推進協議会
◆2種類のリサイクル方法
◇「カスケードリサイクル」と「水平リサイクル」
収集された物から新しい物を作るリサイクル方法には「カスケードリサイクル」と「水平リサイクル」の2種類があります。
カスケードリサイクル:収集したペットボトルを細かく砕いた再生フレークを原料にして、食品トレーやフィルムシート、衣類などペットボトルとは異なる用途のいろいろな製品を作る方法です。
水平リサイクル:収集したペットボトルを原料に戻し、再びペットボトルを作る方法です。石油から作られるPET樹脂と同じレベルの高純度原料が得られるので、品質の変わらない、透明できれいなペットボトルになります。また、新たに化石由来原料を使用する場合と比較すると約60%のCO2排出が削減できます。
2種類のリサイクル方法はいずれも環境負荷を削減する効果的な取り組みですが、ここでポイントとなるのが、「カスケードリサイクル」で製造された食品トレーやフィルムシート、衣類などの商品からはペットボトルには戻れないという点です。「水平リサイクル」の最大のメリットは資源をより長い間循環することができる、持続可能な社会に向けた取り組みであるということです。
出典:サントリーグループ
◆「水平リサイクル」の現状と課題
令和5年度の「水平リサイクル」で生産されたペットボトルの割合は全体の33.7%でした。年々増加しているものの、依然として低い割合となっています。
収集された使用済みペットボトルに汚れボトルや異物が混入していると再生PET樹脂を製造する際に作業効率の低下や廃棄物が増えることから、質の良いペットボトルの収集が課題となっています。
▽水平リサイクル比率の推移
出典:PETボトルリサイクル推進協議会
◆サントリーグループとの事業協定
市では、令和6年12月9日、サントリーグループと水平リサイクルに関する協定を締結しました。
これまで市で収集した使用済みペットボトルについては、リサイクル業者に売り払いをしていたため、そのリサイクル方法(用途)については指定することができませんでした。
今回の事業協定により、令和7年度からは「水平リサイクル」を積極的に推進することが可能となりました。
◆「水平リサイクル」を推進するために
◇「水平リサイクル」は適正な分別が不可欠です!
「水平リサイクル」はペットボトルを一度高純度原料に戻す必要があるため、分別等の事前処理が大変重要になります。
収集後に事業者が処理をすることはコストがかかってしまい、事業として継続することが難しくなります。
持続可能な社会に向けた取り組みを推進するためには、適正な分別が必要不可欠です。ペットボトルは必ずキャップやラベルを外して、分別して出しましょう。
キャップやラベル→容器包装プラスチック
出典:サントリーグループ
問合せ:ごみ減量対策課ごみ総合受付センター
【電話】552・1621