■飛蚊(ひぶん)症
飛蚊症は、黒い点や虫のようなもの、または薄い雲のようなものが視野の中に見え、目を動かすと同方向に移動し、かつ揺れていることから、目の前を蚊が飛んでいるように感じる症状です。まばたきをしても消えないのですが、暗いところではなくなったりします。多くは生理的飛蚊症といって心配ないものですが、病的な飛蚊症もあります。飛蚊症の原因は硝子体(しょうしたい)というものの変化によります。
硝子体について説明しますと、ボールに空気が入っているように、目の中に入っているのが硝子体です。本来は透明なものなのですが、この硝子体に濁りが生じると飛蚊症がおこります。生理的飛蚊症は高齢者であれば、加齢とともに硝子体が液状になり、次第にくっついていた網膜から外れ、後部硝子体剥離(はくり)がおこります。これが混濁をおこし、飛蚊症になるので、心配ありません。また、若い人でも近視が強いとこの現象が起こるので、飛蚊症がでますが、こちらも、問題ありません。
しかし、病的な飛蚊症の場合は、早急な治療が必要なこともあるので、注意が必要です。網膜裂孔(れっこう)、網膜剥離のような病気の初期症状としてこの飛蚊症と呼ばれる浮遊物が見える症状が急に増加します。
病的飛蚊症は、そのほかにも、糖尿病網膜症や眼底出血、外傷などからくる硝子体出血、目の中に炎症がおこるブドウ膜炎が原因となっていることもあります。生理的飛蚊症、病的飛蚊症かどうかの判断は、眼科で散瞳(さんどう)して検査しないと分かりません。ほとんどが心配ないのですが、病気の場合は先ほども述べましたが、早期に治療が必要となることがあります。飛蚊症が増えるようでしたら、早期に受診をお勧めします。
文責:渕向律子(ふちむかいりつこ)医師

