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特集 地域でつくる みんなの居場所(1)

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東京都福生市

■こども食堂
皆さんは「こども食堂」という言葉を聞いたことがありますか。「こども食堂」と聞くと「貧困対策」とイメージされる方もいらっしゃるでしょう。しかし近年では、こども食堂の社会的役割や意義は貧困対策だけではなく、多岐(たき)にわたっています。
本特集では、そんなこども食堂の活動の様子やこども食堂が抱える課題などについて紹介します。

◆こども食堂とは?
◇最初は小さなコミュニティから始まった「こども食堂」
こども食堂は、子どもが一人でも行くことができ、無料または低額で食事を摂(と)れる食堂です。
東京都大田区の八百屋(やおや)店主の近藤博子(こんどうひろこ)さんが、平成24年に店の一角で始めた「だんだんワンコインこども食堂」が発祥(はっしょう)だとされています。
近藤さんは初めから、対象を貧困家庭の子に限定するつもりはなく、こども専用食堂のつもりもなかったようです。しかし、子どもだけで行ける場所は地域に少なかったため、「あなたが一人でも来ていいんだよ」というメッセージを子どもに届けるためにつけた名称が「こども食堂」でした。
その後、平成25年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定されると、世間では貧困家庭に育つ子どもの問題として注目されるようになり、次第にこども食堂の活動は貧困対策というイメージが強くなっていきました。
もちろんこども食堂は、貧困対策の側面もあります。しかし、本来、こども食堂は「貧困対策」と、誰でも行ける「居場所」の二つ柱で成り立っているのです。

◆こども食堂の役割
では、具体的にこども食堂が担(にな)っている役割とはどのようなものでしょうか。

◇誰かと一緒にいられる温かい「居場所」
近年、共働きの家庭が増えたことなどにより、家族で過ごす時間が減っていると言われています。子どもたちの中には「自分を気にかけてくれる人はいない」、「助けてくれる人はいない」などと、孤独感を深めていっている子どももいます。
そんな時、こども食堂で自分のことを見守ってくれる人たちに囲まれておいしいご飯を食べ、温かい言葉をかけてもらうことで、子どもの孤独感の解消や孤食対策にもつながります。
ご飯を食べるためにこども食堂へ通っているうちに、その場所が子どもたちにとって楽しい時間を過ごせる「居場所」へ変わっていくことも期待されます。

◇人が集まることで地域が活性化
少子高齢化が進む中、子どもたちのために地域の高齢者がボランティアとしてこども食堂の活動に参加するケースもあります。
地域コミュニティとして、高齢者も子どもたちも、お互いに元気をもらい合い、地域全体の活気づくりにつながっているようです。

◇学習支援や生活能力の向上
食事の提供とともに学習支援を行うこども食堂も増えています。ボランティアスタッフや利用者が、子どもたちと一緒に時間を過ごす中で、学習支援を行うのです。食事を摂ると同時に、安心感のある環境で学習支援を受けることができます。
さらに、こども食堂を利用することで、挨拶(あいさつ)をしたり、片付けや準備を手伝ったりすることを通して、生活能力を向上させることにもつながります。

◆必要とされる居場所
◇都内のこども食堂の数が3年間で1.5倍超の増加
東京都の調査では、都内におけるこども食堂の数は令和元年には508か所でしたが、令和4年には775か所と増加しています(数値は各年8月時点)。この数値は各区市町村が把握している情報であり、把握できていないものも含めると1,000か所を超えるとも言われています。なお、全国では、9,000か所以上のこども食堂が活動しているというデータも出ています。
こども食堂はまだまだ必要とされており、増加の背景には、こども家庭庁創設に伴い、国や自治体による子どもの居場所づくりへの関心が高まったことなどが挙げられます。

▽都内におけるこども食堂の実施状況

引用:東京都福祉局「都内における子供食堂の実施状況」
【HP】https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/kodomoshokudou.html

       

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